障がい者の創造性×ビジネス視点で共生社会の道筋を作る

「障がい者の創造性×ビジネス視点で共生社会の道筋を作る」

〈社会課題解決委員会〉のミッションは、「燕三条にある社会課題を三条YEGならではの視点で発掘し、解決の道筋を探ること。そのためにソーシャルビジネスの研究と実践に取り組むこと」でした。委員長である私自身が以前訪問した〈月ヶ岡特別支援学校〉は、三条市中心部から遠く離れ、健常者社会との接点が極めて少ないことを課題としていました。そこで、福祉団体とは違う形で共同事業を行うことで、共生社会の道筋を作ることを目的として事業をスタートさせました。

さまざまなアイディアの中から、月ヶ岡特別支援学校の児童・生徒たちが制作した絵画を、カレンダーに活用して販売することに決定。カレンダーは年末年始のご挨拶で多くの企業が使うもの。多くの企業に配るという「拡散性」を利用して、接点を増やそうというものでした。絵画の選定に当たっては、およそ100点近くの中から3点を厳選。3種類の絵柄のカレンダーを1セットにして、企業向けと一般用に単価500円で販売しました。販促物らしく、企業用には社名名入れを施し、商品性を損なわないよう工夫しました。また、従来数円程度と著しく安い価格で行われてきた福祉作業工賃の世界に風穴を空けるねらいから、カレンダーを3種類1セットに梱包するにあたり、単価100円で作業を委託しました。


3種類のカレンダーを1セットとし、企業用は900セットを予約販売。一般販売用は100セットを目標として販売目標を立てました。最終的に企業用は902セットの予約受注を達成。一般販売用は、11/3の三条マルシェでブース出店し、およそ30セット近くの販売に成功。残りは三条市内で開催された各種イベントにブース出店することで販売数を伸ばし、最終的に76セットを販売しました。清算後、この事業で約14万円の利益を計上。作業工賃を合わせた約25万円を月ヶ岡特別支援学校へ「事業協力金」として贈呈。同校における今後の芸術活動に役立てることになりました。後日教頭先生より、「おかげさまで月ヶ岡の認知度が上がり、共生社会に実現につながったと感じます」とのメールを頂きました。

今回の事業に取り組むにあたり、事業計画を企画書に落とし込み、作業内容を細かく設定したつもりですが、理事会では気づかなかった問題点を多く指摘されました。また実施中は、印刷会社との連携に不備があってカレンダー納品時期に遅れが出るなど、問題点もいくつか起こりました。反省点は尽きませんが、事業を終えて振り返ると、大変だと感じた時間が
経験値として積みあがっていることを実感しています。本業において事業計画を立てるときやトラブルを未然に防ぐ方策など、このYEG事業での経験が活きていくだろうと感じています。
「自分がやりたかったことの実現や気づき・学びの場」―それが三条YEGなのだと思います。
社会課題解決委員会 委員長 笠井

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